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私の技術者人生(14) [技術者人生]

 新しい職場に移って6、7年たった頃に新しいテーマに巡り合いました。燃料電池です。燃料電池の心臓部は化学反応の分野になるので私の専門ではないですし、当時の燃料電池解析はまだまだ開発途上でしたので先の見えないチャレンジでした。ただ、最初から難しいところに挑んだのではなく、周辺機器やシステム全体の熱気流の課題から取り組んでいきました。つまり、技術的には対流や伝熱の問題です。
 家庭用燃料電池システムは発電部分以外にも燃料となる都市ガスの改質部や給湯用の熱回収部など多くの部品からなり、それぞれの熱効率がシステムの性能に影響するのです。そこで、個々のパーツに分けた解析からそれらを組み合わせた全体解析へと広げていきました。
 この少し前に、大学でCFDを専門的に学んできた新人が私の部署に入ってきました。CFDで有名な教授の研究室の出身なので入社当時からCFDに関する知識は抜きんでていました。私はあくまでファン技術が一番でCFDはそのためのツールという立場なので、燃料電池に面白みを感じていたもののどっぷりと浸かるつもりはありませんでした、したがって、数年間、その若手と一緒に燃料電池解析に取り組みましたが、その後は彼に任せて、私はファン関連の技術に軸足を戻しました。

 その若手はその後しばらく燃料電池解析を続けましたが、燃料電池の専門家になるのではなく、解析技術の専門家として別のテーマに取り組んでいきました。

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