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私の技術者人生(5) [技術者人生]

 晴れて大学院生となり新しい研究室ですることになった研究テーマは羽根車の非定常性能の理論解析とコンピュータによる計算でした。非定常性能を表す理論式は指導教官が導いているので、その式を計算するプログラムを組んで、パラメータ・サーベイをするのが私の役割でした。

 方程式の内容は省きますがプログラムはかなり膨大なものとなりました。当時はパソコンが普及する前です。今のようにディスプレイ上でプログラムを入力していくスタイルではなく、1行毎に1枚のカードにパンチし、カードの束を大型計算機のカードリーダで読み込むという仕組みでした。

 カードはお札程度の大きさで名刺程度の厚さでした。大型計算機を使うには計算機センターへ行く必要があり、カードを箱に入れて持ち歩きしていました。カードが並んでいる順番がプログラムの流れですから、うっかり落としてバラバラになってしまうと並べ直すのが大仕事です。ちなみに、カードが2000枚入る箱があって、それを抱えて移動する毎日でした。最終的には2000枚(2000行)を超えるプログラムとなり、箱を2つ抱えて歩き回ってました。

 そういう研究生活を始めて数カ月がたち夏休みを迎える直前になって大きな転機が訪れました。研究室の卒業生のひとりの先輩が「夏休みにバイトに来ないか?」と声をかけてきたのです。当時、どういうことを考えたのかよく覚えていませんが、その呼びかけに応えてM1の夏休みに4週間、その先輩の職場で実験の手伝いをしました。就職の可能性というより小遣い稼ぎという思いが強かったのですが、結果的には2年後にその企業に就職することになり、その先輩が上司となりました。

 こうして現在につながる大きなルートが出来上がったので、自分から積極的に選んだというより成り行きで決まったようにも思います。

 では、その先輩はなぜ私に声をかけてきたのか? のちに上司となった先輩に聞いてみると、研究室の助教授が推薦したとのことでした。何が良かったのかはわかりませんが、いい学生だと思われていたようです。

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