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私の技術者人生(6) [技術者人生]

 就職して企業のエンジニアとなり、文字通り技術者人生の始まりです。配属されたのはファンの性能に関する研究部署でした。先のブログで書いた先輩がいる部署です。先輩といってもかなり離れた先輩で、当時すでに課長で、私の直属の上司となりました。
 最初に担当したテーマは学生時代にアルバイトしたのと同じファンの研究でした。
cff01.jpg
  [注]エアコンに使われているものはもっと横に長いです
このファンはクロスフローファンというもので、身近なところではエアコンの室内機に使われているものです。あまり目に付くものではありませんが、円筒状の細長い形状をしており、扇風機のファンなどとはかなり違うものです。ファンの種類は大きく分けて3つあり、扇風機のような軸流式、掃除機に使われている遠心式、そして、このクラスフローファン(横流式)となります。当時、この中でクロスフローファンだけが動作原理・メカニズムが明確に解明されていないということでした。そのような厄介なファンを入社してすぐに担当したということが後になって非常に役に立ちましたが、当時はそんなことは考えてもいませんでした。
 この研究テーマは先輩が数年前から続けていたもので、クロスフローファンの流れのメカニズムを解明し、効率を向上させるというのが目的でした。当時はコンピュータシミュレーションが普及する前ですから流れを調べるのは実験計測しかありません。しかも、回転する羽根車の中を測るわけですから、いろいろ複雑な仕組みが必要となります。ただ、そのような計測のための実験装置はすでに完成されていたので、ファンの内部の流れを調べるという本来の目的にすぐに取り掛かれたのはラッキーでした。
 こうして、いろいろと条件を変えながら実験を繰り返す日々が約2年ほど続きました。やっていることは学生時代のアルバイトに近いですし、商品開発ではなく基礎研究ですから大学の研究に似ていました。

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